東ワイ地方のケリン(鶏林国)と対立していた大加羅国(後の=新羅)を統治していた歴代王の名前と在位期間である。 『新撰姓氏録』は、『新羅』(大加羅)の始祖王は鵜草葺不合命の子の稲飯尊(神武天皇の兄)だと述べている。 古代日本とカラ半島南部の政治的・文化的なつながりを、あらためて研究すべきである。
■大加羅(オホカラ=新羅)の歴代王
初代王:威名日王−在位:BC57年−BC16年 <41年> 〔稲飯尊(イナヒ尊)、彦古志尊、居西干、八幡神王(柔処の神=ヤハタのカミ)とも呼ばれる〕 威名日王は、朝鮮の史書=三国史記・新羅本紀に登場する赫居世干(彦古志)と同一人物らしい。 居世干は、新羅本紀の記述によると、13歳で新羅初代王に即位したという。 また、『古事記』には、稲飯尊(威名日王)は母の国である海原(新羅)へ行ったと記されている。 新羅とは弁韓のことであり、弁韓は倭人国であったから、新羅=大加羅は、ヒノクニ(九州)と同じように、 倭人国であったことが分かる。
2代王:仲次王−在位:BC16年−AD4年 <20年> 〔彦中継王(ボコ-ナカスキ王)、南解次次雄とも呼ばれる〕
3代王:若次王−在位:AD5年−AD24年 <19年> 〔若慈利尊(ワカジリ尊)、慈利王、儒理王とも呼ばれる。ジリは「知り」(統治者)の意味。〕
4代王:大志呂王−在位:AD25年−42年 <17年> 〔大加羅志呂王(オホカラのシロ王)とも呼ばれる。丹波国から派遣された王〕
5代王:志露王−在位:AD42年−AD57年 <15年> 〔佐狗王尊(サク王)、栄王、首露王とも呼ばれる〕
6代王:多気王−在位:AD57年−AD80年 <23年> 〔太計王尊(タケ王の尊)、脱解王、武王、大加羅武王とも呼ばれる〕
7代王:羽佐王−在位:AD80年−AD112年 <32年> 〔歯沙尊、婆娑とも呼ばれる〕
8代王:貴摩王−在位:AD112年−AD134年 <22年> 〔木麻尊、祗摩王とも呼ばれる〕
9代王:伊昌王−在位:AD134年−AD154年 <20年> 〔市肖王、逸聖王とも呼ばれる〕
10代王:阿多婁王−在位:AD154年−184年 <30年> 〔阿多利尊(アタリ尊)、阿太郎王尊、阿達羅王とも呼ばれる〕
11代王:大日日王−在位AD184年?−AD189年?(在位期間は4年〜5年?) 〔大日日王は、第9代=孝元天皇の第二子、すなわち開化天皇である〕
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