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ある日のシラフバックナンバー

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シラフその73「不滅の男 エンケン対日本武道館」  
名前:シラフ    日付:2008/04/12(土) 21:52
 遠藤賢司監督主演作品「不滅の男 エンケン対日本武道館」を東京は新宿にあるテアトル新宿に観に行く。テアトル新宿には「タカダワタル的」を観に来て以来。その時にライブがあり、それが高田渡を観た最後だった。
 映画の内容は、エンケンこと遠藤賢司が、客のいない日本武道館を相手にたった一人で歌うというもの。ただ歌うだけならライブ映像、プロモーションビデオと同じだが、映画というだけあってそこにはストーリーというか映画的な流れがある。
 ボディにエフェクターを貼り付けたグレッチのエレキギターを抱えながら自転車をこぐエンケンが武道館に入って行くところから映画は始まる。もうそこからワクワクしてしまう。中に入ると、アリーナには百台以上はあろうかというほどのアンプの山。その前には縁側つきの四畳半があり、畳の上にはコタツまである。周りにはススキがはえ、柿がなったりしている。エンケンはその中で、時にはコタツに立って歌い、時には縁側に座って歌い、時にはセットをはみ出して動き回ったりする。最初と最後以外はライブのように歌が続くだけだが、ほぼ1曲ごとにギターや演奏スタイル、服装が変わり、それに合わせて撮り方も変わるので全然飽きない。映画だと分かってはいるのに曲が終わる度に拍手しそうになる。
 一曲目の「不滅の男」はエレキだったが、それ以降はしばらくアコギが続く。エンケンはエレキも凄いがアコギの方も凄く、「満足できるかな」のアコギには殺されそうになる瞬間が何度もあった。
 「東京ワッショイ」は、ライブなら「ワッショイ!」と叫べば客が「ワッショイ!」と返すのだが、これは客のいないライブなのでもちろん声は返らない。だが、いつもの客の「ワッショイ!」が聞こえてくるぐらい熱気にあふれている。
 中盤でエレキを持ち、最後はまたアコギに持ち替え、「夢よ叫べ」を歌い上げ、ハープでのインスト「ひとりぼっち」を吹くと、また自転車に乗って帰ってゆくのだった。
 映画が終わると拍手が起こった。
 エンケン対日本武道館の結果はもちろんエンケンの圧勝。
 たった一人で歌うというのはこんなにも凄いことなんだと、58歳のエンケンに教わってしまったのがなんだか悔しい。自分ももっと自分の歌を歌わなければと思い、少し鼻息荒く映画館を出た。


 2005年11月

その72「ライブレポート」  
名前:シラフ    日付:2008/04/12(土) 21:52
 漁港、ココバット、ロマンポルシェ。、ガーリックボーイズ
 2005年 9月21日 新宿ロフト

 すでに開場していたロフトに入ると、怒髪天の増子直純氏がDJをしていて驚く。この人のDJはただ曲をかけるだけではなく、曲に合わせてノリノリで歌いまくるというとても楽しいDJをする。選曲は80年代アイドル歌謡が中心。イントロだけで何の曲だか分かってしまう。
 ビートたけし「OK、マリアンヌ」を最後にライブスタート。
 1番手は漁港。
 ライブパフォーマンスが話題になり、以前、テレビのニュースで取り上げられていた映像を観たことはあるが実際に観るのは初めて。
 メンバー(乗組員)は、打ち込みなどの音源を操作するDJと、ギター、そしてボーカルの3人。
 FISH ROCKを提唱するだけあって、曲のネタは全て魚関係。「次の曲」と言わずに「NEXT FISH」と言って笑いを取る。それ以外のMCでも笑いを取りまくる。MCで引きつけてから歌に持っていくライブ進行がうまい。
 最後は、噂のステージ上でのマグロの頭の解体ショー。魚屋の腕前を活かし、ここはどこの肉でどういう風に料理するとうまいという説明をしながら切り捌き、それを客にプレゼント。
 2番手はココバット。
 ドラマーが変わってからの初ライブらしい。それでもベースはブチブチ、ギターはザクザク、ドラムはズドズドのココバットサウンド。ハードコアともヘビメタとも言い難い元祖ミクスチャー。
 ステージがあまり高くないので、ハードなスラッピングベースをかますTAKE−SHITの手元が見られなくて残念だったが、定番の「ココバットクランチ」が聴けたので何より。次々と曲をたたみ掛け、30分も演っていないとは思えないほど濃い演奏内容だった。
 バンドの転換の間にもDJはノリノリで、とうとう演歌(山本譲二)まで飛び出す。
 3番手はロマンポルシェ。。
 ボーカル掟ポルシェと、ディレイ担当ロマン優光による暴言説教ユニット。
 真っ白なガクラン姿の掟ポルシェがゴルフバックを持って登場。中から日本刀を出して振り回す。そして、アフリカの貧困はかんぴょうで救えという強引な説教からスタートし、やっと曲に入ったと思ったらいきなりスターリン「解剖室」のカバー。
 チープなチャカポコテクノ調のオリジナルも演るけれど、やはりその間の説教がおもしろい。掟ポルシェとロマン優光がビンタをし合いながらタバスコを飲み、ノーマイクで安達祐実結婚をネタにしたブラックジョークを連発する。
 ラストというかあげくの果てにはかんぴょうを客席にばらまく。
 4番手でトリはガーリックボーイズ。
 初めて観る。結構歴史の長いバンド。ギターはもう40歳とのこと。ユニークな日本語の歌詞にやたらとハードな曲。ラストに演るかと思った名曲「YOKOZUNA」が中盤で飛び出たので驚いた。
 関西人だけあって、MCがしゃべくり漫才のようでおもしろい。
 アンコールもあり、後頭部に力の入る良いライブであった。
 最初から最後まで全て楽しめるライブというのはなかなかない。


 2005年10月

その71「音楽はオムニバスから広がってゆく」  
名前:シラフ    日付:2008/04/12(土) 21:51
 オムニバスアルバムを買う理由は、好きなミュージシャン、バンドが参加しているからというものが多い。
 オムニバスアルバムは一度に色々なミュージシャンの曲が聴けてお得だったりする。 最近は500円から2000円くらいで買える安いオムニバスも増えたが、そのオムニバスで始めて聴いて興味を持ったミュージシャンの曲をもっと聴きたくなると、後日、そのミュージシャンのアルバムを買ってしまうので、結局、後から高くついたりする。でも、そういう「高くつく」は悪いことではない。そうさせてしまうオムニバスは名盤の証拠だ。
 ここ数年は、マーガレットズロースが参加しているからという理由で買うことが多い。
 「文藝ミュージシャンの勃興」という、ものものしいタイトルのオムニバスで、アナログフィッシュと緑川伸一を知る。緑川伸一はミドリカワ書房名義でアルバムを出していて、シンガーソングルポライターと名乗り、独自の視点から歌を作っている。このオムニバスには、離婚することになった夫婦の夫が娘に語るという「それぞれに真実がある」を収録している。
 長野にあるライブハウスネオンホールのオムニバス「ネオンホールマウンテン’04」で、タテタカコを知る。よく、人の心に土足で踏み込むという言い方があるが、タテタカコの歌声は、人の心に素足でそっと踏み込んでくるような静かな存在感がある。このオムニバスに参加している女性ミュージシャンには存在感のある歌声を持つ人が多い。
 そして、新宿のライブハウス紅布(レッドクロス)のオムニバス「SHIJUKU CALLING」は、自分が今まで聴いてきたオムニバスの中で一番良いと断言できるほどレベルの高いアルバムだ。オムニバスは、収録曲の半分も良ければ、五割も良ければ上等だと思っているが、このオムニバスは八割以上のハイアベレージを出している。この店の出演バンドのレベルの高さがそのままオムニバスに反映されている。
 そうやって自分の好みの音楽が増えてゆく。テレビやラジオ以外の所で出会った音楽が増えてゆく。リアルな音楽が鳴っていると実感する。


 2005年9月

その70「オススメ音楽本」  
名前:シラフ    日付:2008/04/12(土) 21:49
 「路上日記」野村誠著
 ペヨトル工房 定価2800円(税別)路上演奏CD付き

 野村氏はピアニカの路上演奏で食べている(今は作曲家、演奏家として暮らしているらしい)。これはその時の様子を綴った日記で、中にはさまざまな出会いが書かれている。
 野村氏がピアニカを吹いているのを見てピアニカを始めた人がいる。「私もピアニカやってるんですよ」と、話かけられて仲良くなることもある。外人ミュージシャンといきなり路上セッションということもある。
 でも、良いことばかりではない。集まった人達の、ノリと、好意と、遠慮がうまく噛み合わずに悲しい日になることもある。酔っ払いのサラリーマンに邪魔をされたりもする。業界風を吹かせた勘違い女に気分の悪い思いをさせられたりもする。
 それでも野村氏はめげずに路上に立ち、「サザエさん」を、「UFO」を、「北風小僧の寒太郎」を、ベートーヴェンを吹く。
 自分は野村氏のことをライブハウスで見たことがあるが、見た目はひょろっと痩せたどこにでも居るあんちゃんといった感じの人であった。
 でも、その芯はとても太く、とてもタフな人なのであった。

 野村誠氏のホームページ
 http://www7a.biglobe.ne.jp/~nomu104/index.htm


 2005年8月

シラフその69「パンクでぶっとばせ!」  
名前:シラフ    日付:2008/04/12(土) 21:49
 サイト巡りをしている時に、楽しみにしている日記やコラムがいくつかある。20年以上続いているパンクロックバンドthe原爆オナニーズのボーカルであるタイロウ氏が、東京は三軒茶屋のレコード店「フジヤマ」のサイトで書いている「パンクでぶっとばせ!」もその一つ。タイトルを見ると過激な感じだが、肩肘張らない自然体の文章でパンクロックへの愛を書いていてとても好感が持てる。この人はパンクロックが好きなんだなあと素直に思え、直接話をしたことがなくても尊敬できると思わせる人である。
 the原爆オナニーズは名古屋を中心に活動していて、メンバーは仕事をしながら休みの日を利用してライブを行っている。歳を取っても仕事をしながら音楽を続けるようなバンドとなると、ビートルズやベンチャーズのコピーバンドのようなものばかりで、ライブも近場で身内だけを呼んで済ますというものが一般的なイメージかもしれないが、原爆のようにオリジナル曲中心でライブを行い、音源も出して遠征も行くというバンドも結構存在する。
 歳を取っても年間のライブ本数がほとんど変わらないというのも凄い。ジャズやブルースならともかく、パンクとなると体力的にどんどんしんどくなっていくのにそのペースを維持しているというのは尊敬に値する。歳を取れば体力はどうしても落ちるけど、大事なのは自分の気力だということを教えてくれる。
 そんなタイロウ氏は47歳。パンクロックが好きな人は沢山いるが、40半ばを過ぎても好きな人、好きだと言える人はなかなかいない。このまま50代になっても60代になってもタイロウ氏にはパンクロックを歌って欲しい。
 40、50代になっても普通にパンクやハードコアを聴く人、パンクやハードコアバンドをやる人が増えたら、日本はもっといい国になる。自分はそう信じている。

 フジヤマのホームページ
 http://fujiyama.press.ne.jp/


 2005年7月

その68「盗んだバイクで走る前に・・・」  
名前:シラフ    日付:2008/04/12(土) 21:48
 最近、新聞記者に尾崎豊についての取材を受けた。尾崎が死んだ時に、尾崎の住んでいたマンションの周りで泣いていたやつらや、葬式で泣いていたやつらを見てムカついた思いをそのまま原稿用紙にぶつけて音楽雑誌に投稿したことがあり、結局それは尾崎に関する投稿文を集めた本に収められた。その記者は、その本の投稿者に取材をして尾崎豊についての記事を書きたいとのことだった。
 当時の自分は、尾崎に対して盲目的に依存しているファンのプレッシャーが尾崎を追い込み、そのプレッシャーを紛らわせる為に酒を飲みすぎ、結果、ああいう事故が起きてしまったのだと思っていた(その時はまだ他殺説が出てなかったので、完全な事故死だと思っていた)。
 取材を受ける前に、その本を引っ張り出して、まだ21歳だった自分の文章を久々に読んでみたのだが、一人で勝手に怒りまくっている文章にこっ恥ずかしくなってしまった。「もう少し冷静になれ」と、当時の自分に言ってやりたい。
 尾崎は好きだけど、一番好きなミュージシャンだったことはないし、アルバムも4枚目の「街路樹」までしか持っていない。それ以降に発売されたアルバムも買おうかなと思いつつ、それよりも他に聴きたいミュージシャンのアルバムを買っていた。あくまでも良い曲を書くシンガーソングライターの一人として捉えていて、一部の熱狂的なファンのように強く依存するようなことはなかった。亡くなったのはただただ残念だった。
 取材を受けた後に、取材中のやりとりを振り返りながら尾崎豊のことを考えた。詞も曲も良く、歌もうまく、顔も良く、初期はスタッフにも恵まれていて完璧だった。もし、最初の3枚のスタジオアルバムと、その後のライブアルバムを出した直後に死んでいたら綺麗な伝説になっていたはずだ。「その方がよかった」と、言う人もいるだろうが、自分はそうは思わない。たとえ、最初の頃のような曲が書けなくなり、CDの売り上げが落ち、集客も減ってホールツアーからライブハウスツアーになり、「数」の話の中でどんどん落ちていったとしても、本人が今歌いたい歌を歌っているのなら、それは決して惨めではない。30代、40代の尾崎だったらどんな歌を歌うのだろうかと、ふと思う。
 ガガガSPというバンドがあり、彼等の曲に「尾崎豊」というのがある。これは尾崎をクソミソにけなしている曲で、愛情の裏返しでけなしているのではなく、本当に尾崎が嫌いでけなしている。熱心な尾崎ファンからは反感を買っているが、尾崎の死んだ歳をとっくに追い越してしまった今の自分は、「盗んだバイクで走る前に割ったガラスを弁償しろよ」というフレーズにニヤリとできたりもする。


 2005年6月

その67「さらば高田渡」  
名前:シラフ    日付:2008/04/12(土) 21:47
 フォークシンガー高田渡が死亡した。死因は心不全。享年56歳。
 歌いに行った北海道で倒れたというのはホームページのニュースで知っていたが、ちょっと体調を崩しただけだと思っていたので、まさか死ぬとは思わなかった。風貌はヨボヨボで、今にも死にそうな感じではあったが、あっさり7、80歳まで歌い続け、なんだかんだで同世代のミュージシャンの誰よりも長生きするんじゃないかと思っていた。死にそうで死なないのが高田渡という人だと勝手に思っていた。
 初めて観たライブがいつだったかは憶えていない。それから何回か観ているが、高田渡はいつでも何処でも同じ雰囲気で歌っていた。淡々とした歌とぼやきのようなMCにいつの間にか引き込まれてゆくのが高田渡のライブだった。
 そんな高田渡の歌は短いものが多い。同じ曲でもライブになるともっと短くなったりする。必要以上に長くない曲を、必要なだけのギターを鳴らしながら歌ってゆく。いつぞやのライブのMCで、「私の歌は要点しか言わないから短いんです」と、言っていたのがとても印象に残っている。自分は時々、ライブのMCで、「曲作りのお手本はラモーンズと高田渡」と、言う時があるが、それは冗談ではない。
 そんな高田渡の歌には悲壮感がない。みじめな内容の歌でもそれは変わらない。酒や、貧乏に関しても同じ。本人や知人のコメント、文章などで触れられる酒や貧乏の話には悲壮感がない。だから、酒の飲みすぎについても、酒に溺れているというよりは、楽しく付き合っているように感じられた。
 酒を控えればもっと長生きできたとは思うが、本人は「長生き」というものにあまり魅力を感じていなかったように思える。だからといって「生き急ぐ」といった感じもない。楽しいことで一日一日をしっかりと埋めて行く。何かを我慢してスカスカな一日を重ねながら長生きしようとは思わなかったのではないか。
 自分の生き方を全うしたようにも思えるが、だがしかしとも思う。
 自分の頭の中には、「残念だ」と、「しかたがない」と、「これでよかったんだ」が、ごちゃ混ぜになって浮いている。
 さらば高田渡。


 2005年5月

その66「ちゃんとした歌謡曲」  
名前:シラフ    日付:2008/04/12(土) 21:45
 ヒットチャートを賑わすほどではないが地道に売れている曲がある。じわじわと浸透しているらしい。サビの「乾杯しよう〜乾杯しよう〜」というフレーズが印象的で、初めて聴いたのはコンビニの有線だった。最初は谷村新司の新曲かと思い、その時は特にそれ以上気にはならなかった。 
 最近、音楽雑誌を読んでいたら、それが谷村新司の新曲ではなく、コーヒーカラーというユニットの「人生に乾杯を!」という歌だと知った。その日から自分の頭の中でその歌が勝手に広がって離れない。どうにもこうにも聴きたくなり、ネットで色々と検索して調べ、数日後にはその曲のマキシシングルを買っていた。
 「青春がプカプカと泡になり はじけ飛ぶ」というフレーズの儚い感じが好きだ。
 「勝ち組 負け組」、「リベンジ」、「チャンポン」など、歌詞として使われると個人的に違和感を覚える単語があったりしたが、それは何回も聴いているうちに気にならなくなった。
 サラリーマンに人気があるらしいので、何となくサラリーマン哀歌みたいな取られ方をしているが、働く大人全てに通じるものがある。子供を相手にはしていない、ちゃんとした大人の歌謡曲を久々に聴いた気がする。
 年々、音楽の細分化が進み、大衆向けである歌謡曲の分野でも、みんなの歌、多くの人が知っている歌、というのがなかなか生まれず、ここ数年では「涙そうそう」くらいしか思いつかない。普段、あまり歌謡曲は聴かないし、自分が好きな音楽は歌謡曲でないものが多いので、個人的には困らないのだけれど、何となく寂しくは思っていた。「大衆向け」を「大衆に迎合する」と勘違いしている中途半端な歌謡ロックや歌謡フォークはいらないが、ちゃんとした歌謡曲は必要だと思う。「人生に乾杯を!」は、「涙そうそう」と同じくらい多くの人の共感を呼ぶ歌だ。
 日本人もやっと21世紀に慣れて落ち着いてきたらしい。そろそろ、ちゃんとした歌謡曲が次々と生まれ出す予感がしている。

 コーヒーカラーのホームページ
 http://www.worldapart.co.jp/coffeecolor/top.html


 2005年4月

その65「ルースターズラストライブ」  
名前:シラフ    日付:2008/04/12(土) 21:44
 去年の9月にルースターズのボックスセットを無理して買った。正規のスタジオアルバムやライブアルバムの他に、色々な時期の未発表ライブCDやDVDも入っている。初期の未発表ライブでの、何か急いでいる感じがとても良い。
 ボックスセットには4組の見開きケースが入っていて、開けると1組につき8枚のCDやDVDが入っている。それとは別に、「RE・BIRTH」というタイトルのシンプルな紙ジャケのDVDが付いていた。何だろうと思いパソコンに入れて見たら、何と、去年のフジロックでのラストライブと、そこまでのリハーサル風景の映像だった。思わず見入る。 
 精神的な事情で長いこと音楽シーンから離れていたボーカルの大江慎也は、一昨年にライブ復帰して、それから地元のアマチュアミュージシャンとバンドを組んでボチボチとライブをしていたが、最初のリハーサルでは歌い出しが弱かったりすぐに声がヘタったりしていて、大丈夫なのかなと思わせる。長いこと音楽から離れていたせいもあり、他のメンバーよりもフケて見えるし、あまり生き生きとした感じもない。だが、リハーサルを重ねていくと昔の自分を取り戻すかのようにしっかりしてくる。
 そして、新宿ロフトで行われたルースターズラストライブ前夜祭でライブを行い、フジロック本番を迎える。同じ黒のスーツで決めた4人がステージに登場してくる所だけで泣ける。
 どうなるのかなと思われたフジロックでの本番だが、この時の大江が一番カッコ良かった。花田、井上、池畑の3人が大江をサポートする形になるのかなと思っていたが、ステージでの大江はとても堂々としていて、逆に他のメンバーを引っ張っているようにも見えた。立ち振る舞いも、ピックを捨てて指でギターを掻きむしるのも、勢い余って歌詞を間違えたのも、一々全部がカッコ良く、ロックだった。急いでいる感じが蘇っていた。
 今、大江がやっているUNというバンドのライブを今すぐ観たくなる。そんなライブだった。


 2005年3月

その64「4カウント&3コード」  
名前:シラフ    日付:2008/04/12(土) 21:43
 去年の12月に、映画「エンド・オブ・ザ・センチュリー」を観た。
 「エンド・オブ・ザ・センチュリー」というのはパンクロックバンド、ラモーンズのドキュメント映画。約2時間、飽きることなく観ることが出来た。脱退したメンバーも含めた全てのメンバーのインタビューやライブ映像を元に、バンドの歴史、メンバーの性格、メンバー同士の確執や愛憎劇などをさらけ出していてとても興味深かった。楽しい映画ではないが、観て良かったと思わせる。これは最高のバンド映画だ。パンク映画ではなくバンド映画。バンドをやっている者は、たとえラモーンズが好きでなくとも観ておくべき。
 個人的に、この映画で初めて分かったのが、ラモーンズは自国アメリカではあまり売れていなかったということ。海外で、何千、何万の客の前で演っても、アメリカに帰れば小さいクラブでのライブが待っているという現実。本人達は辛かっただろうが、アメリカ嫌いでラモーンズ好きの自分としては、「ラモーンズの良さが分からないアメリカ人は馬鹿だ」と、思うことが出来て痛快だった。もちろん全てのアメリカ人にラモーンズの良さが通じなかったわけではなく、ラモーンズを観てバンドを始め、のちに大物になったアメリカンバンドのコメントも映画の中で見ることができる。その他、UKパンクバンドのメンバー(ジョー・ストラマー、キャプテン・センシブル、グレン・マトロックなど)のコメントもある。
 ラモーンズは世界中の迷える魂を救った。それで世界が平和になったりはしなかったが、ラモーンズがいなかったらもっとひどい世界になっていたのではないかと思う。
 また、鬼軍曹と言われ、バンドを高圧的に仕切っていたギターのジョニー・ラモーンについて、自分は今までリーダーとしてとても優秀だと思っていたが、この映画を観て、実はそれほどリーダーとしての才能を持ってなかったんじゃないかと思い直すようになった。不器用だから、上から押さえつけるようなやり方しかできなかったんじゃないか。そう思うと何とも人間臭く思える。 
 インタビューで若い頃のことを聞かれ、「悪いことは何でもした」と、答え、インタビュアーに「盗みも?」と、さらに聞かれたら、「母親には内緒だ」と答えていた。その、「母親には内緒だ」と、いうのは多分ジョークだと思うのだが、真顔で答えるのであまりジョークに見えない。そういう、うまくないところに不器用な人間味を感じた。
 色々な問題が出てきても、何だかんだでラモーンズとして続けることを選びながら22年間走り続けた。
 ラモーンズとは、「4カウント&3コード」。これに尽きると思う。初志貫徹。最初から最後まで何が何でもシンプルであり続けた世界一の頑固者バンド。
 映画を観終わった後、2分に満たないやり逃げナンバーを作りたくなった。使うコードはもちろん3つだけ。


 2005年2月


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