むかしむかしあるところに、ひとりのかみさまがいました そのかみさまがどこからきたのか、それはだれにもわかりません。 そのかみさまはとてもとてもつかれていたので、じぶんがねむるためのゆりかごとして、ひとつのせかいをつくりました。 それは、とてもとてもおおきなせかいだったので、かみさまはさらにそれを13こにわけて、じぶんのからだもそれとおなじかずにわけました。そうして、ほかのせかいから、じぶんをまもろうとしたのです。 かみさまのからだからわかれたものは、それぞれがあたらしいかみさまになりました。12にんのかれらは、それぞれにあたえられたせかいをかんりしました。 すべてのしごとをおえたあと、さいしょのかみさまはねむりにつきました。そのかみさまをかくすように、そのかみさまのせかいもねむりについて、どこにあるのかわからなくなってしまいました。 のこった12のせかいは、はじめのうちはへいわでした。でも、あるとき、12のかみさまのひとりが、『じぶんがすべてのせかいをおさめるのだ』といいました。それをきいたほかのかみさまたちも、おなじことをおもいました。こうして、かみさまたちのせんそうがはじまったのです。 かみさまたちのちからはほとんどおなじくらいだったので、かれらはじぶんでたたかったりはしませんでした。かわりに、じぶんたちによくにたいきものをつくってたたかわせました。それは、そのときよりもあとになって『ひと』とよばれたいきものでした。 ひとがつくられてから、かみさまたちは、『じぶんの『ひと』をおおくつくって、ほかのかみさまのひとをおおくころせば、じぶんはこのたたかいにかてるんだ』とおもいました。それは、たしかにそのとおりだったのかもしれません。でも、みんながみんなおなじことをかんがえて、おなじことをしたので、けっきょくしょうぶがつきません。 えいえんにしょうぶがつかないのかと、かみさまたちがたいくつそうにおもったとき、ひとりのかみさまと、ひとつのせかいがあらわれました。 12にんのかみさまたちは、そのかみさまも、そのせかいのことも、なにひとつしりませんでした。はっきりしていたのは、12にんのかみさまがしたがえる『ひと』をすべてあつめても、そのかみさまにかてるかわからない、ということだけでした。 12にんのかみさまはとてもおどろいて、そのかみさまをたおすまでのあいだだけきょうりょくしあうと、おたがいにやくそくしました。 そうやって、あたらしいかみさまと、ふるい12にんのかみさまのたたかいがはじまりました。そして、それはすぐにおわりました。 12にんのかみさまの『ひと』たちは、あたらしいかみさまの『ひと』とはたたかわないで、ふるい12のかみさまにはむかったのです。 12のかみさまたちのちからは、『ひと』ひとりのちからよりもはるかにつよいものでした。でも、そのとき『ひと』は、もうかぞえることもできないくらいのかずになっていました。そのぜんぶのちからがあつまったとき、『ひと』は12のかみさまたちをこえてしまいました。 12のかみさまたちはなすすべもなくうちたおされ、あたらしいかみさまのてによってふういんされてしまいました。 そのご、あたらしいかみさまは、すべての『ひと』をもとのせかいにかえして、みずからをじぶんのせかいにふうじてしまいました。 『ひと』たちは、そのたたかいをものがたりにして、じぶんのこどもにかたってきかせました。そのこどもも、またじぶんのこどもにきかせました。そうして、ひとつのわができて、きがとおくなるほどのたくさんのじかんがすぎました。 そして、いま、そのはなしをしっている『ひと』は、ほとんどいなくなってしまいました。しっていても、ただのおとぎばなしだとしかおもわなくなってしまいました。 だからなのでしょうか。すべてのせかいで、そんなはるかむかしのふういんが、とけかかってきていました。
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